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雲竜渓谷

うんりゅうけいこく

■山行日:平成16年2月7日(土) 曇り時々晴れ

■行 程:林道ゲート - 稲荷川展望台 - 洞門岩 -(河原)- 雲竜渓谷入口(河原)- 友知らず - 雲竜瀑直下 - 友知らず - 雲竜渓谷入口 -(林道)- 稲荷川展望台 - 林道ゲート

■山域データ:栃木県日光市

■サムネイル画像解説:サムネイル画像に赤枠のあるものは拡大できます

雲竜渓谷
今日は、なかなか機会に恵まれずにいた日光・雲竜渓谷の雪と氷の世界に入り込む。

東照宮わきの稲荷川沿いの道を進めると、すぐに林間になり、道も圧雪・凍結状態で慎重に車を進める。どこまで車が入るか心配するところだが、幸いにも通常一般車が行けるゲートのところまで進めることができた。

ここは林道といっても本来は工事用道路であり、年々崩壊を続ける女峰山系の砂防、堰堤工事などを行なっている。この道はこれから進める雲竜渓谷の奥まで続いている。林道ゲートの小広くなった駐車場にはすでに3台が駐車しており、私の車でいっぱいみたいだが、少し手前の林道沿いにも数台は可能だろう。
(歩行距離は長くなるが適当な路肩は所々に確保されている)
雲竜渓谷
心配していた雪も本降りの様子で、この先どうなるか不安だが行ける所までと思いながらアイゼンを装着し、ゲートを7時にスタートする。
 
舗装の林道は圧雪状態で、アイゼンを履いているので歩きやすい。
雲竜渓谷
1時間弱で稲荷川展望台に着き一服する。だいぶ高いところまできており眼下を見ると大規模な日向(ひなせ)砂防ダム、そのはるか上方にはこれから入る雲竜渓谷、さらに先には赤薙山、女峰山が見渡せるはずだが雪が舞っているようだ。この辺はすでに雪も止んで、明るい陽射しが射しつつある。
今日は写真を撮るのが目的のひとつでもあり、思い切ってペンタ67にレンズ3本を持ってきたが、これがことのほか重い。さらに冬装備も重なってザックの重みが肩と腰にくる。
雲竜渓谷
つづら折の林道もなくなりさらに進むと左手に日向雨量観測所がある。やがて小広くなった「洞門岩」に到着する。ここまで1時間40分の行程。

ここは、河原コースと林道コースに分かれており、河原コースのほうがそれほどの見所はないが近道である。帰りは距離はだいぶあるが林道コースが無難かも。

ここから、いよいよ河原に下っていく。いきなり小さな川を渡渉するが苦もなく飛び越える。河原は広く水量も少ないし、雪が割と多いので比較的楽に通過できる。

やがて、小規模な氷壁が現れる。さらに進むと左岸を高巻き、再び河原に下り渡渉するが、ここは水量も川幅もあり緊張する。
雲竜渓谷
さらに右岸を高巻き急登すると、「雲竜渓谷入口」の標識とロボット観測所がある高台の広場に到着する。

ここは、先ほどの林道が通じておりここで合流となる。

写真を撮りながらの行程のため、出発から約3時間かかった。ここから、眺める前方の景色はすばらしく、ツララや氷壁があちこちに点在し、さらに赤薙山の峻険な岩肌を望むことができる。
雲竜渓谷
雲竜渓谷の本格的な氷柱・氷壁ショーはここからが始まりとなる。立派なステンレスの手すりを手掛かりに雪の階段を下り、広い河原に出る。すぐに川を渡るが難なく通過。河原なので踏み跡を忠実に守れば問題ない。2~3度飛び石の川渡りをくり返し、やがて両側の切り立った岸壁が急に狭くなる通称「友知らず」に入ってくる。

「友知らず」とは、両側が絶壁のうえ、この狭い急流の峡谷を通過するため自分のことだけが精一杯で友達のことなど構っていられないところからこのように呼ばれているとのこと。

しかし、水量もさほど多くなく雪もあるせいか問題なく通過できる。川は土砂が堆積するなど年々変化し続けており、無雪期でも通れるようである。
雲竜渓谷
「友知らず」左岸の氷壁がすばらしい。
雲竜渓谷
「友知らず」を通過するとすぐに今度は右岸に第2ステージが待ち構えている。ここもさらにすばらしい景観だ。高さ10mほどの岩棚が長さ数十メートルにわたり続き、そのなかに氷柱3本、大小の数え切れないツララの大ステージである。氷柱は独特の青白い輝きを放っている。
雲竜渓谷
さらに進めると左に稲荷川本流、右に雲竜瀑からの支流とが合流する地点に着く。もう雲竜瀑の上段がすぐそこに見えているが、簡単には行くことはできない。

ここまではアイゼンなしでもなんとか来られるが、この先はアイゼンが必須だ。軽アイゼンでもなんとかなるが、できれば6本以上のものがベスト。さらにピッケル又はストックがあると安定する。

ここで重いザックをデポしていくことにする。サブザッグにカメラ類を入れ替え身軽になる。

雲竜渓谷
まず右側の斜面を直登し、大きく左に迂回しながらトラバース気味に進める。断崖絶壁の個所はいくつもあり、手での補助もできないところもある。滑れば谷底まで数十メートルを一気に落ちてしまう。

踏み跡を忠実に進めるが、怖さが先に立つとよけいバランスを崩しやすいので要注意。雪崩でも起きやしないかとも考えてしまう。やがて、急下降になり滝直下に向かうと恐怖のトラバースは終わる。
雲竜渓谷
苦労して来た甲斐がある。「すっごぉーい」の一言だ。

滝は全面結氷し、高さ100mもあろうか。全体で三段の滝となっているようだが、一番下の三段目だけでも滝中央部は下部にしたがって大きく太く成長し氷柱をなし、中段付近はツララ状に何本も重なり合い、上段部は氷壁が長く続いている。滝左手下部には3段階の短いツララ群が横にズラッと並んで、右手には長く太いツララが群をなす。上段の二段目、一段目も全面結氷し、水がしたたる様子は全く見えない。
雲竜渓谷
やがて、アイスクライミングが始まった。しばし、ギャラリーとなる。氷壁に取り付いたかと思うとはた目には割と簡単に登っていく。

両手・両足の支えしかない状態で登るのを見ているとゾッとする。所々にハーケンを打って安全を確保していくわけだが、時々氷が崩壊し「バシャバシャ」と落下しヒヤッとする。

あの氷の状態なら滝三段目の中段ぐらいまでしか行けないだろうと思っていたらとんでもない。そのまた上まで一気にいってしまった。
雲竜渓谷
毎年、日光警察署などが厳冬期にこの雲竜瀑において山岳救助訓練を行なっており、新聞・TV等でこの様子が報道される。今年は1月31日に行なわれた。この訓練の際は林道が除雪され歩き安くなるため入谷するにはその後がいいという。 1時間以上ここにいても眺めていて飽きないが、午後1時すぎに下りる。帰りは来た以上に慎重に降りる。
雲竜渓谷
先ほどの大ステージの目の前で遅めの昼食にする。料金無料の特等席をしばし陣取る。
時間は2時ごろであるが、もうこの時間になると入谷してくる人はいない。数人のグループがいるだけになった。
雲竜渓谷
帰りは「雲竜渓谷入口」まで戻り、来た道とは違う林道を帰途に選ぶ。ここでアイゼンをはずす。林道はアイゼンなしのほうが歩きやすい。
午後2時20分出発となる。15分ほどは登りのコースだがあとはつづら折の下降となる。滑るような感じで早足に歩く。この辺の積雪を測ったら70cmぐらいであった。
長い林道であったが「洞門岩」まで30分で来てしまった。
ひたすら早足に歩く。稲荷川展望台を過ぎると、またまたヘアピンカーブの連続だ。最後は疲れもあり、カーブを過ぎるたびに駐車場はまだかと思うようになる。同じような道が続くので勘違いする。午後4時ちょうどに駐車場に到着する。帰りは意外と早かったが、すでに駐車場には私の車しかなかった。

歩行総延長は約12.5km、山行総時間約9時間、実歩行時間約5時間。