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Tak@se Web Echo

~ 山歩きの記録と山岳写真集 ~

男鹿岳

おがだけ(おじかだけ) (1777m)
栃木百名山/会津百名山


2018(H30)年4月29日(日) 晴れ
福島県南会津町/栃木県那須塩原市

■行 程:<大川林道> 釜沢橋(駐車地点)- オーガ沢橋 - 男鹿沢橋 - 白糸橋 - 大川峠(福島・栃木県境-林道終点)- <登山道(未整備)> - 栗石山 - 男鹿岳山頂 (ピストン)

■男鹿岳ルートマップ: 【ルート確認用】 【印刷用】

サムネイル画像解説 サムネイル画像に赤枠のあるものはポップアップ拡大できます。

 平成30年は男鹿岳に登ろうと考えていたが、ベストは4月中下旬と踏んでいた。
 ところが、今年の気候はというと1月はマイナス10度が何度となく記録され、異常低温状態。3月に入ると今度は春を通り越して夏がやってきた。
 桜も1週間以上早かったし、木々や花々も同様の早さで進んでいる。だいぶ雪解けも進んでいるだろうと思われたが、男鹿岳は道なき道のヤブ漕ぎとのことで、ダメもとのリタイヤ覚悟で挑戦する。
 ところで、男鹿岳は栃木百名山に選定されているものの、栃木側からのアクセスを考えると、横川地区から入るルートや塩那道路ルートも紹介されているが、いずれもマニアックな行程となること。日帰りの日程では難しく相当困難性が高い山ということになるだろう。
 
 問題点を整理すると、登山口までの手頃なアクセスが悪く車を使えない。よって長時間の歩きを要すること。男鹿岳は正式な登山道がなくヤブ漕ぎを強いられるため、春の残雪期限定。
 そこで、消去法でいうと、福島側から入るルートしか残らない。南会津町栗生沢地区から山奥深く入り、栃木県那須塩原市深山ダムまで続く県道369号(通称大川林道)を利用する以外に、私の技量・体力からはこの"道"しかない。林道歩きだけでも登山取付点となる大川峠まで片道8km以上を要する。

 なお、当サイトの男鹿岳の呼び方については、「おじかだけ」とも呼ぶらしいが、栃木百名山にならい「おがだけ」としている。
男鹿岳登山起点となる釜沢橋ゲート(県道369号)

男鹿岳ゲート先は割ときれいな林道が続いている。
男鹿岳二股に分かれるが、ここは真っ直ぐに進む。
この辺は人が入り管理されているようで、道も車が走れる状態となっている。
カラマツの新緑がきれいだ。
男鹿岳1.5kmほど進み右に大きくカーブすると林道の様子ががらりと変わる。まさか植林したのかと思うほどに林道に木が茂っていた。
その間に踏み跡がついている。
男鹿岳さらにその先には、大量の落石がほとんど道をふさいでいる。大規模で手付かずの状態だが歩くのには問題はない。
男鹿岳こちらはコンクリート擁壁のみを残し、道がなくなっている。くぼんでいるところを歩く。
男鹿岳オーガ沢に架かる「オーガ沢橋」を通過する。

スタートして約4km地点。
男鹿岳雪がないからいいが、残雪時の通過には気をつけたい。
滑落したら谷底まで。  
男鹿岳道路は大小の岩が転がり、ガレ場状態。  
男鹿岳誰かが切ったようだが林道上に垂れ下がった山ブドウの幹から樹液が滴り落ちている。それも1秒間隔ぐらいで出ており、全体ではすごい量の水を吸い上げているのだろう。たくましい生命力を感じた。  
男鹿岳白糸橋を過ぎて、標高は1200mぐらいになる。西方向には真っ白に輝く会津駒ヶ岳が見えてきた。
 
男鹿岳林道は北側斜面を進むようになり、山蔭となるため徐々に残雪が多くなってきた。
1カ所だけ5mほどの雪面のトラバースがあり滑落の危険があるぐらいで、残雪歩きは問題ない。  
男鹿岳遠かった林道歩きも終盤、その先は大川峠らしい。
 
男鹿岳大川峠に到着する。

広場になっており、ここが栃木県と福島県の境となっている。  
栃木県側の様子を見るとヤブになっており、遠目に見ただけだが道は自然化しているようにも見える。
ここが男鹿岳への取付点となるが、整備された道ではなく、写真右手の斜面を登って行く。
 山頂まで稜線は栃木・福島県境になっており、稜線を外さずに登るようになる。
男鹿岳出だしから背丈以上の笹ヤブに悩まされる。赤テープは賑やかについているが、じっくり確認しないと分からないところもある。
男鹿岳笹ヤブと格闘しながら登って行くと、残雪と藪が入り混じってくるようになる。

適期に来ると残雪だけでヤブは少ないはずだ。  
男鹿岳地図でイメージしていた地形とは違い、意外と急斜面でなかなか進まない。
持って行ったワカンは出番はなく途中でデポ、アイゼンだけはザックの中に入れたままで、結局使わずじまいでした。  
男鹿岳傾斜も緩みまもなく栗石山か。
男鹿岳栗石山(1701m)に到着。これまで特に危険なところもなかったが、息があがり何度も休む結果に。
あとで思うに、栗石山をクリアできれば男鹿岳登頂は成功したと言ってもいいだろう。  
眺望は男鹿岳方向のみで林のなかといった感じ。

帰路は雪がゆるんで所々雪解け水が流れ出しており、うっかりそこに足を乗せると滑るので気をつけたい。急斜面で2回しりもちをついてしまった。
男鹿岳栗石山から望む男鹿岳。
男鹿岳笹ヤブを少し下降すると男鹿岳と栗石山の鞍部となる。
 
男鹿岳やや急登があるが、そう長くは続かない。むしろ帰りのほうが急斜面は怖いだろう。それを過ぎるとあとはゆるやかに登って行く。
男鹿岳男鹿岳山頂に到着。山頂には三等三角点が設置されている。
那須方面、三倉山、流石山方面が開けているが、頂上から少し先に行ったところからは大佐飛山はじめ男鹿山塊が望める。  
男鹿岳那須方面、三倉山、流石山方面。
例年、三倉山~流石山の県境尾根は一番遅くまで真っ白に雪を被っているが、今年は雪解けが早いのか、すっかり消えている。  
男鹿岳近くには大佐飛山の大きな山体が構えている。
大佐飛山下部に横に走る稜線は、すでに廃道化して自然に戻すことが決定している「塩那道路」が通っている。  
■男鹿岳ハイライト■