黒滝山への登山口は、百村本田集落の光徳寺から百村山を経由するコースと、林道木ノ俣巻川線からショートカットし百村山の少し先の尾根に出るコースの２つがある。後者のほうが１時間ほどの短縮になる。今回は板室街道から林道木ノ俣線に入る。車１台分ぐらいの狭い林道で、すぐに一部砂利道になるものの、その先は舗装道路となっている。

　しばらく走り、直角に左折すると林道木ノ俣巻川線に入る。道もだいぶ広くなり余裕が出るが、落石には要注意だ。斜面を削った林道なので至る所に落石の跡があり、いつ岩石が降ってくるのか恐怖感を伴う。

　途中光徳寺からの道と出合うが、新登山口はまだ先。やがて右手に登山口の目印でもあるアルミ梯子が見えてくる。ここは路肩が広くなっており駐車可能。一番乗りだが駐車するにも落石が心配でやや傾斜の緩い場所を選ぶ。


那須塩原市穴沢地区から見る黒滝山。

黒滝山までは登山道が整備され快適に歩けるが、その先の大佐飛山(1908m)は登山道もなく無雪期には藪と化し、春先の残雪期のみの山行しか望めない。黒滝山はそのほぼ中間点に位置し、往復１０時間を超える長い長い道のりになるとのこと。

６時を少し回りアルミ梯子からスタートする。

　いきなり雑木林の急登となる。
寝不足と慣れない身体に息が上がる。
　山ツツジがちょうど満開で、あちらこちらに咲いている。
　

　雑木林からヒノキ林に変わっても急登は続く。
　

　
　再び雑木林になると道は平らになって、百村山からの登山道と合流する。
　ここまで標高差200ｍ、３０分ほどのがまん。　

　道はなだらかになり、トウゴクミツバツツジが咲いている。
　

　

　笹が背丈よりも高くなってきたが、道は快適に整備されている。
　黒滝まで３ｋｍの表示がある。

　

　登山口からほぼ１時間で三石山（1257m）に到着。
　
　

　林の中はシロヤシオ、トウゴクミツバツツジの競演だ。

　

　樹木を縫うように進む。
　

　急登に汗だくだく。

　

　道が平らになるとサル山を通過する。
　黒滝山へあと２時間の表示があり、行程の半分ぐらいか。
　

　この辺りを歩いていると、左手のほうからガサガサと何かが走る音が聞こえた。とっさに身構える。
　大きな声をあげてけん制する。熊だったのか？

　青空にダケカンバの新緑がきれいだ。

　

　那須見台と呼ばれる地点に着く。
　右手方向が開けていて、那須岳はじめ栃木・福島県境の山並みが望める。
　これまで、尾根上を歩いてきてはいるが、やや林寄りに道はつけられているので、眺望はない。三石山で少し開けているだけだった。

　 栃木・福島県境方面

　 ※帰路の写真を使用

那須岳方面

　またまた急登。
　これまで急登を繰り返すたびに一段と高さが増してくる。

　急登を終えると山藤山に到着する。（上から読んでも下から読んでも・・。）
　モミの木だろうかシラビソか見分けがつかないが、３本が寄り添うように。
　木々の合間から黒滝山らしき山容が望める。あと１ｋｍだ。　

　またまた急登。トラロープがいっぱい張ってある。最後の踏ん張りと頑張る。

先行したご夫婦と行き会う。シャクナゲがいっぱい咲いてますから楽しんで下さいと励まされる。

　あと０．５ｋｍの表示を過ぎ、急登を終えると、なるほどシャクナゲが突如として現れる。

　道の両側に群落をなしている。赤色が強い感じがする。
　

　シャクナゲの道を進むと、河下山の頂きを通過する。
それほどピークの感じはしない。

　

　河下山から少し下降すると、はっきりと黒滝山と分かるようになる。
　
　

　下降していくと涸沢らしい溝があり、そこを直角に左方向へ曲がる。

　

登り返しに入り、道端にはミネザクラがちょうどいい具合に咲いていた。

　
別のところに咲いていたこの桜は、上の桜とは種類が違うような気がするが・・・。
花びらのところについている「☆」が印象的。

　ほどなく黒滝山山頂に到着する。登山口から４時間弱かかった。
　ここは、南側が開けていて関東平野を望むことができる。
　大佐飛山への中間点になる。
　

　
　ちょっと靄がかかっていて鮮明さは欠ける。この時期はなかなか難しい。