荒海山は2度目の山行となる。1度目は昨年6月に頂上手前の急登で雪の壁に阻まれリタイヤしている。
今回は再挑戦であるが、紅葉にはまだ早いが天気は秋晴れで絶好の山行条件である。
例によって、八総鉱山跡に車を置く。私を含めて車は3台だ。
8時50分スタートする。
最初の30分ほどは荒海川の渓谷を左右に見ながら昔の鉱山のなごりを残す車道を進むが、現在は道が荒れているため車の通行はできない。
昨年よりも一層道が荒れているように思われる。
少し行くと登山届用のボックスが立っており中にある備え付けのカードに記入する。
やがて、河原が小広くなった地点に出る。豪雨でかなりの土砂がたまっており、登山道は川向うに渡るがわかりづらいかもしれない。
石伝いに飛んで本格的な登山道(標高約900m)に入る。この辺は春先にはニリンソウの群落を見ることができる。
登山道に入るといきなり沢歩きになる。
沢の水量はさほどではないが、以前の大水でだいぶ痛んでおり歩きずらい。
やがて沢を右手にはずれ、斜面を急登する。
春にはこの辺から尾根道伝いに延々とイワウチワの淡いピンクが登山道を飾ってくれる。
さらに進めると再度沢伝いのコースに戻り、ロープに助けられながら急登する。
小広い町村界尾根の鞍部(標高約1150m)に到着する。
登山口から40分ぐらいなので、ここで一服するのによい。
ここから左に折れ尾根沿いに舘岩村側を進める。
アップダウンを繰り返し次第に標高を上げていくがブナ、ミズナラやアスナロの鬱蒼とした樹林帯で展望は2~3ヶ所あるだけでほとんどきかない。
あいかわらずイワウチワが群落をなしている。また、木の根が登山道に張り出してまたいでおり、さらにジメジメとぬかっており歩きにくい。
ここから左に折れ尾根沿いに舘岩村側を進める。アップダウンを繰り返し次第に標高を上げていくがブナ、ミズナラやアスナロの鬱蒼とした樹林帯で展望は2~3ヶ所あるだけでほとんどきかない。
木々の合間から荒海山の山容が確認できた。
やがて、左側に大岩、右側が切れ落ちている地点を急登すると、昨年リタイヤした地点にさしかかる。この辺で約1450mである。鉱山跡から休憩も含めて約2時間30分だ。
それにしてもこの稜線歩きは何となく距離が長く感じる。展望がきかないせいかもしれない。
【2002年山行 雪の壁に敗退】
この先から今日一番の登りが待っている。道は両側とも切れ落ちているが、木々に守られ恐怖感はない。
しかし、いずれにしても急斜面であり、周りの木々を頼りに足を持ち上げる。
難儀しながら登っていくと、やっと木々の高さよりも頭の方が上に出た。
稜線に吹くさわやかな風にほっとする。天気もよく雲は多めだがかなり遠望もきいているが、景色よりもヤセ尾根と根っ子に気を使いながら頂上を目指す。
やがて、左手に南稜小屋が現れ、小屋を覗くと3畳ほどの広さの汚れた小屋であった。
遭難・避難時には助けられる小屋ではあるが、休憩にはちょっと遠慮したくなる。
以前はロボット雨量観測施設だったそうで、器材の一部が残っていた。
小屋裏手はすぐ頂上であった。山頂まで鉱山跡から3時間30分であった。
頂上には誰もいない。来るときに1人すれ違ったので、あと1人いるかと思ったが?
山頂は双耳峰で今着いたところが西峰の太郎岳(1581m)、東峰が次郎岳(1580m)と呼ばれている。
山頂からは雲が多いが360度の展望を誇る。
男体山、女峰山などの日光連山、その東隣に高原山、日留賀岳、男鹿岳など男鹿山塊、茶臼岳などの那須連山。
北側正面には七ツ岳、尾瀬方向を見ると会津駒、燧ヶ岳。
こうどこまでも見えると広域の地図があればと思う..。
ここは、分水嶺の頂点でもある。山頂の石碑には「大河の一滴ここより生る」と記されているとおり、北側に降った雨は、荒海川から阿賀野川を経て日本海へ、南側に降った雨は、男鹿川から鬼怒川さらに利根川を経て太平洋にと注ぎ込む。思うと感慨深い。
次郎岳まで足を延ばすが、ものすごいヤブこぎとなる。
方向もどこも全く見えない。わずか5分の距離だが閉口した。そちらには二等三角点がある。
1人が食事をしていた。ヤブからいきなり出てきた感じでお互いびっくり!!
景観はそれほど変わらないので、早々に引き返す。
山頂を1時に出発、八総鉱山跡には3時40分帰着。