登山口から男体山系を仰ぐ
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民家と畑の間を通り過ぎると間もなく一般コースと健脚コースの分岐に差しかかる。ここは、一般コースを進める。すぐに薄暗い杉林に入る。
登山道は斜面をつづら折に進み、次第に高度を上げていくがそれほどの急登ではない。登山道左手は涸沢となっており、水はほとんど見えない。
まもなくヤマブキとともに道の両側にはニリンソウとちょっと気味悪いマムシグサが目立つようになる。大円地越手前にひときわ大きなニリンソウの群落がある。
再び、ケヤキの自然林に囲まれるようになり、登山ではよく見られるブナかと錯覚するほどの大木が茂っている。
ほどなく明るく広々としたケヤキ林の大円地越に到着。ここは鞍部であずま屋があり休憩に良い。
マムシグサ
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山火事にもめげず
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ここから少し急登し、岩場のロープを越えると平らな潅木帯の稜線に出る。ひときわ大きく男体山頂が目の前に見えてくる。
登山道のすぐ脇に「ゴヨウツツジ(シロヤシオ)」の大木があったがどういうわけか朽ち果てていた。平らな稜線からすぐに下って男体山頂への最後の登りに入ってくる。
景色も遠望がきくようになり、淡い緑や濃い緑などが入り乱れ、さらにヤマザクラも混じってまさに春の景色だ。同時に深く切れ落ちた岩峰に緊張感をつのらせる。両側が切れ落ちたところが一部分あるが登山道を忠実に歩けばそれほど危険はない。
2003年3月の火災により道の両側には木々の真っ黒な姿が痛々しい。それでも植物の生命力は強いもので、新たな芽生えも見られた。山頂手前には火災後の生育調査のためと思われるブロック状にテープが張られていた。 |
男体山頂
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男体山頂は小広い平坦地となっており、絶壁の縁には男体神社奥社が祀られている。
標高654mとはいえここからの眺めはたいへんよい。神社の外囲いを一周するように絶壁の縁に立つことができるが足がすくみ、自然に体も神社よりに傾き加減になってしまう。
反対側の片隅にはNHKのUHFテレビ中継局があり、大子周辺をサービスエリアとしている。こちら側からは木立などで遠望はややさえぎられている。
案内板によると、断崖をつくる岩石は、火山角れき岩と溶岩流で、火山岩は、茨城県ではここにしかないとのこと。断崖ができた理由は、火山活動が終了した後の隆起と侵食が原因だそうで、ふしぎな山である。 |
山頂付近のヤマザクラ
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頂上をあとに男体神社向け下山する。少し下りるとあずま家があり、ここは健脚コースとの分岐にもなっている。
ここでちょっとトラブルが起きる。カメラのフィルムの裏蓋が何かの衝撃で開いてしまい、直前に撮った3枚がだめだった。裏蓋が開くというトラブルは初めてであった。
気を取り直してさらに進むとYの字の分岐があり、右に行くと袋田の滝への縦走コースとなる。
しかし、この分岐点は道標がわかりづらくどちらに分かれるか迷ったが、さっき頂上から見た持方集落の方向からすると左側が正解と判断し進める。
少し行ったところにさらに道標があり、間違いがなかったことを確認する。 登山道は急下降のつづら折になり、湿った道はすべりやすく、また、左側は所々深く沢に落ち込んでおり滑落の注意が必要だ。
花も今まで見られなかった種類が見えるようになってきた。ニリンソウは相変わらず多いがその中にフデリンドウほか数種類の花が見られた。
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ニリンソウ
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急下降が終わると男体神社に到着する。
駐車場があり、100mぐらいの参道を歩くと社が控えている。うっかりお金の持ち合わせがないが、鐘を鳴らしお参りする。今度来た時は・・・。
持方集落内の舗装道に入ると、両脇には桜とヤマブキが植えられ、また斜面の畑には菜の花がいたるところに栽培されており、桜はすでに終わったがヤマブキと菜の花は見頃で、その黄色が一層のどかな集落風情を醸し出している。
集落内の舗装道をしばらく歩きながら、トンネルを抜けると大円地駐車場に着く。
帰りの湯は、近くの湯沢温泉ホテルで疲れを癒す。泉質は単純二酸化炭素泉で色は無色透明。
入浴のみ利用は16:00までで600円
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