HOME | 日記MENU | 山名一覧表 |
- Part 5 - |
平成15年10月4日(土)〜 10月5日(日) |
燕 岳 (2763m 長野県穂高町) | |||
晴れ時々曇り 一時雪 | 中房温泉駐車場−登山口−第1ベンチ−第2ベンチ−第3ベンチ−富士見ベンチ−合戦小屋−合戦沢の頭−燕山荘−燕岳 帰りは往路と同じ |
第1駐車場 |
前日に一路長野県の燕岳登山口がある中房温泉を目指す。長野道豊科ICを下り、R147を北上すると程なく穂高町に入る。 翌朝と登山中の食料を買い込み中房温泉に向かう。途中、中房線の夜間工事による通行止めの案内板があり、それでも午前0時から1時までの1時間は通してくれるとのことで行ける所までと思い車を進める。 道は渓谷が深くなるにしたがいだんだんと狭くなる。しかし一向に工事の様子がない。結果、登山口がある第1駐車場まで行くことができた。 後でわかったことだが、本日は工事が無い日であった。登山者への気遣いかと思われ、金・土曜日は工事を休みとしているようだ。 ここまで自宅から約6時間、午後10時を回っていた。このまま車中で眠るが寒い。 翌朝、6時40分に燕岳目指して駐車場を出発する。舗装道を約15分歩き、いよいよ本格的な登山道に入る。 |
中房温泉登山口 |
第1ベンチ |
燕岳は北アルプス三大急登と“汚名”を着せられているだけあって、最初からいきなり急な登りが始まる。寝不足も手伝って息が上がる。 しかし、道はよく整備されており歩きやすい。 30分ほど歩くと樹林帯の中の開けた場所に第1ベンチと名づけられた休憩用の木製ベンチが備え付けられたところに到着。ここは標高1660mで200mほど登ってきたことになる。ここから少し下ると水場がある。 さらに30分ほど登り荷物用のケーブルの下を過ぎるとすぐに第2ベンチ(1820m)に到着。 この先この登山道唯一のわずかな平坦地がある。ときどきこんなところがあってもいいのになと思いつつこの先登りはさらにきつくなる |
第2ベンチ |
第3ベンチ |
続いて第3ベンチ(2000m)。私の感じでは第3ベンチ前後が登りがきついように思われた。しかし、なぜか汗をかかずタオルを使わない。 | 第3ベンチ先の急登 |
富士見ベンチ |
次に富士見ベンチと言われる2200m地点に着く。ラッキーなことに遠く富士山と中央アルプスの山並みを確認できた。今ごろの時期だからこそ見えたのかも知れない。 この先から花崗岩とナナカマドの赤やオレンジ色が目立ち庭園の様子。紅葉前線はここまで下りてきているようだ。 まもなく合戦小屋(売店/休憩 2368m)に到着する。時間は10時30分、まずまずのペースだ。 |
合戦小屋 |
合戦小屋ベンチ(左は荷揚げ用ケーブル) |
夏にはおなじみのスイカを出してくれる小屋であるが、今の時期はリンゴとナシ、そして合戦うどん、ホットコーヒー・ミルクなどを提供している。 先ほどの荷物用ケーブルはここまで通じており、これから行く燕山荘の食料などの物資もここまで上げている。ここでおいしい本格的ないれたてのコーヒーをいただく。 小屋からさらに急坂を登りつめると傾斜も次第にゆるくなってくる。同時に樹林帯もなくなり周りが開けてくる。 左手にははっきりと表銀座縦走コースの稜線が続き、ひときわ大きな大天井岳がそびえている。 |
急登も終盤 |
合戦沢の頭から燕岳を望む |
やがて三角点がある合戦沢の頭(2489m)に出る。右前方には花崗岩の岩が点在する燕岳が目の前だ。少し目を左にやると、今夜泊まる燕山荘(えんざんそう)がまさに天に向かって建っている。 さらに左手には槍ヶ岳が見えるはずだが、ガスにさえぎられその全容は確認できない。いつのまにか空は灰色で、アラレが舞ってきた。 最後の登りが続く。疲れもピークで小屋が見えているせいかよけいに遠くつらく感じる。 残念ながら紅葉のピークは過ぎていた。何回かの雪と風であっと言う間の紅葉だったとのこと。 テント場の横を通り過ぎ燕山荘に到着。時間は午後0時15分。休憩や写真撮りも含め登山口から5時間15分かかった。 |
燕山荘に到着 |
燕岳に向かう稜線を行く |
歩いてしまえば苦しかった登りは忘れてしまうが、どこの山でも大小の違いはあるけれども、三大急登といってもそれほど大げさなことではないように思われる。 ただ登山道が固くしまって歩きやすかったのが幸いしているし、途中のベンチが気分的にも楽にしてくれた。無理をしないでマイペースが守れるなら問題ない。 受付後、昼食はうどんを食べる。部屋で1時間ほど休憩をとり、14:00燕岳に向かう。燕岳は燕山荘の北方1kmにそびえており、花崗岩の白さが眩しい。 |
奇岩・巨岩に圧倒される |
岩のモニュメントの真っ只中 |
登山道には、奇妙な形をした風化花崗岩のオブジェがいくつも立ち、イルカ岩などの名前をつけられているものもあり、見ようによってはいろんなものを連想させてくれる。
ハイマツの緑と花崗岩の白とのコントラストが映え、他の山では味わえない独特の景観を醸し出している。 |
イルカ岩 |
高瀬渓谷に光射す |
やがてさほど苦も無く頂上を踏む。頂上は花崗岩の岩場で狭く10人もいられない感じだ。 ガスも出始めたが槍ヶ岳、穂高連峰、双六岳から立山、剣岳など遠望もきく。 |
燕岳頂上 |
続いてライチョウも登頂に成功 |
頂上でゆっくり写真を撮っていると、ライチョウの2羽が登山道を歩いてきた。 まるで一緒に頂上を目指しているように這い上がってきた。1mの距離になってもライチョウはさほど気にしていない様子。 急いでカメラを向けるが、ちょうど望遠レンズだったこともあり、あわてていてピントを合わせずらい。やがてライチョウは頂上を越え反対側に下りていき、下でゆっくり写真を撮ってくれとばかりにしばらく休んでいた。 頂上周りを半周ほどしたら、さらに2羽のライチョウが合流して4羽になり、えさをついばんでいる。もう半分ほど羽の色が白に変わり冬支度をしていた。風貌はなんとも愛くるしい。しかし、鳴き声は決して愛嬌にも可愛いとは思えない。グーグーとかグェーグェーとかいった感じである。 まるで蛙の鳴き声である。こんなハプニングもありゆっくり頂上で楽しませていただいた。午後4時に小屋に戻る。 |
ガスが出るとライチョウは生き生きと |
今夜の夕食はごちそうだ |
午後5時、夕食となる。本日は客も多く3回に分けての食事であった。 やがて雪となる。風はないのでそんなに寒さは感じないが、気温はマイナス0.5度。たちまち一面銀世界となった。 食事後、7時30分から燕山荘オーナーの赤沼健至氏から山の話しとアルプホルンの演奏に聞き入る。山の歩き方のコツ、高山病対策から山小屋経営の苦労、環境問題、コマクサの生態、熊の話しなど山登りには興味ある話題がポンポンと出てくる。 さらに話しのなかに燕山荘グループのPRも織り込み会場は爆笑の渦。また、アルプホルンは、長さ4mほどの楽器でものすごい肺活量が必要のようで、初めて聞くが、アルプホルンの音色にヨーロッパアルプスの雰囲気が伝わってくる。 オーナーが不在時はビデオ鑑賞のみだそうだが、本日登ってきたところだそうで貴重な時間を過ごさせていただいた。 |
オーナーのアルプホルン演奏 |
穂高、豊科、松本の夜景 |
9時消灯だが枕が違うとなかなか寝付けない。0時30分、外の様子はどうかなと思い、外に出てみると、なんと満天の星だ。 天頂の天の川がまさしく大河となっている。星が降り注ぐといった感じで言葉では言い表せないくらいきれいだ。槍ヶ岳がシルエットで浮かび、その右手には今年話題の火星がまだまだ明るく輝いている。 東の眼下には穂高町、豊科町、松本市などの夜景がきれいだ。カメラを持ち出し午前2時ごろまで撮影に熱中し、おかげで体は冷たく凍えてしまった。このとき気温はマイナス2度。 |
火星が槍ヶ岳上空を過ぎる |
ご来光はいつ見ても感動 |
朝4時過ぎ、今度はご来光の撮影に起きる。 まだ、辺りは暗いが、東の空は赤く染まって輝いてきている。 南には富士山がどっしりと座り、その上に浮かぶ赤い雲が印象的だ。5時過ぎには日の出を見る人でいっぱいになる。 山上から拝む日の出は何ともすばらしい。5時35分真っ赤な日が浅間山方向から上がる。 対峙する槍ケ岳方向を見ると、モルゲンロートのピンクに染まっている。 |
ご来光はまず槍ヶ岳から |
昨晩の雪が彩りをさらにひとつ加えた |
本日は昨日よりも天気が良く、ここから見える山はほとんどといってもいいくらい澄んでいて良く見える。昨晩の雪で大方の山は真っ白だ。 山荘付近でも約1cmぐらい積もっている。小屋の周りを散歩がてらに写真を撮りまくる。深い澄んだ青空と高層の雲がいろんな形を作る。やはり山を撮るには空の青が必要だ。 |
立山・剣岳方面 |
燕山荘上空の高層雲 |
まだまだここに居たい気分で心惹かれるが、午前8時30分下山を開始する。 帰りは登ってきた同じ道を引き返す。今度は下り一方となり、花崗岩の道を転ばないよう歩く。達成感からか気分は上々。 11時50分登山口に無事到着。登山口近くの町営有明荘の温泉で汗を流し、帰途につく。 |
白馬方向 |
Copyright © Tak@se Web Echo 2000,2007 All Rights Reserved |