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Tak@se Web Echo

~ 山歩きの記録と山岳写真集 ~


大入道

おおにゅうどう(1402m)
2004(H16)年2月26日(木) 晴れ
栃木県矢板市

■行 程:学校平(山の駅たかはら)- 小間々 - キャンプ場 - 桜沢 - 大入道山頂 - 桜沢 - キャンプ場 - 小間々 - 学校平

■大入道ルートマップ:【ルート確認用】 【拡大表示・印刷用】

サムネイル画像解説: ※サムネイル画像に赤枠のあるものはポップアップ拡大できます。解除は×または写真枠外をクリック。

大入道今日は振替休日をとったものの、特別の予定もなく休んだので、はて何をするか。近くの山でも行くかと八方ヶ原の後方に控える「大入道」を選ぶ。しかし、剣ケ峰も捨てきれない。歩いてから状況により考えようと出発する。

ところで、大入道という山名は山らしからぬ呼び名であるが、どのような由来かはわからない。広辞苑によると、「大きな坊主頭のばけもの」とある。入道雲も同様の由来だろうし、妖怪伝説など様々な言い伝えがあるようだ。

自宅から八方ヶ原までは時間にして30分足らずの距離で、毎日眺めてはいるが年に2~3回ほど入山するのみで近くて遠い存在だ。

学校平付近は、近年観光開発に力を入れ、「山の駅たかはら」として売店やレストランを備えている。また、隣り合って八方牧場が整備され牛が放牧されている。
山の駅周辺は高原山系登山や滝巡りなどのハイキングの起点となっている。
本格的な観光シーズンは5月初旬から6月中旬にかけて次々と咲くアカヤシオ、シロヤシオ、ヤマツツジ、ミツバツツジやレンゲツツジが、学校平-小間々-大間々へと高度を上げながら咲き乱れるだろう。

特に、大間々付近のレンゲツツジの群落はおすすめ。
花情報 山の駅たかはら
大入道学校平すぐ手前の大間々方面へは車が入った形跡もあるが、圧雪状態でもあり学校平駐車場に停める。予想通り車はなく誰もいない。

8時45分出発する。学校平入口の斜面から遊歩道が小間々~大間々方面に延びており、そこから入ることにする。

大間々まで2.5kmの表示がある。遊歩道にはすでにスノーシューで歩いた跡があり、そこを忠実に進む。まだ、雪は締まっており持ってきたかんじきは使わないで冬用長靴で進む。
大入道程なく小間々に到着する。すでに車が2台駐車してあるが、おそらく鹿狩りの方だろう。

小休憩しながらこの後どうするか考える。大間々まで車道を進むのもいやなので、結局、大入道行きと決める。剣ケ峰は頂上に着いてから考えよう。

かんじきを装着し、小間々のキャンプ場内に入ると、大入道へは右に直角に折れる。やや登るとすぐに平らな林間を進む。かんじきが効いているのか快調に進むが、桜沢への急下降付近になると赤いペンキマークが見渡しても見えないところがあり不安になる。

しばらくあちこちウロウロして下り口をようやく見つける。ここまではかんじきの跡が見られたが、この辺で足跡は消えている。斜面を沢に下りるので慎重になる。
大入道沢は雪に隠れておりそのまま通過できる。

ここから先はもう踏み跡はなく、誰もこの山に踏み込んだ形跡は見られない。カラマツ林の中を少し登ると、再び平坦になるが、赤いペンキマークを見落とさないように進める。

平坦コースが終わると再び桜沢のもう1本の支沢に下りることになるはずだが、ペンキマークがわからずウロウロする。

結局、沢上部をかなり奥にトラバースするようにコースは巻いていることがわかった。かなり急傾斜を沢に下りるが長いロープが張ってあり、ロープの助けを借り下りる。
大入道ここから先は桜沢の支沢からさらに深い沢が分かれ、この沢沿いの斜面を進めていく。もう完全にこの冬は誰も入った形跡は見られず雪深い。この時期に入るもの好きはいないようである。

ここから苦難の道が始まる。コース斜面はちょうど南向きで折からの好天気が続いたためか雪質が水っぽく柔らかい。いわゆる腐った状態。

1歩踏み出すたびにズブッと半分ぐらいもぐり、さらに力を入れ踏み込むとさらに膝までもぐる、二段階のショック。その繰り返しはことのほかつらい。10mも歩けば心臓が爆発しそう。

ここで“敗退”を考える。いやここまで来たんだからと思い直し、休み休みながらなんとか進む。
わずか数百メートルを1時間近くも要してしまったが、まだ時間は早い。
大入道
ここから先は桜沢の支沢からさらに深い沢が分かれ、この沢沿いの斜面を進めていく。もう完全にこの冬は誰も入った形跡は見られず雪深い。この時期に入るもの好きはいないようである。
大入道やがて、沢沿いのコースが終わり、いよいよ最後の登りに入る。見上げると真っ直ぐに頂上付近を目指してコース取りがしてあり、先まで見通すことができる。まさに直登だ。

また、さっきの繰り返しかと思いつつ進む。思ったとおりである。急登でもあり、さっきの比でない。ここでまた“挫折”を考える。相変わらず足は無残にもズボッズボッと容赦なくもぐりこむ。

平均10m進むと息はハァーハァー、足が上がらない。泣きたくなるツラサである。冬場の運動不足でこんなに体力が落ちたのかと思ってしまう。いろんな歩き方を試してみるが、これといった効果的な歩き方は見いだせない。

後で地図を確認したところ、この直登は距離300m、高度差120mほどで無雪期ならそれほどのものではないが。後でこの山に登った人は、この足跡を見て笑ちゃうかも知れない。
大入道やっと急登も終わり、頂上部に出ると、登りはゆるやかになる。雪は締まっており、先ほどのもぐりはなく程なく頂上を踏むことができた。

時間は12時30分、実に出発から2時間45分かかってしまった。
大入道頂上は、木々が邪魔をしており、眺望は利かないが木々のすきまからはすぐ目の前に深いスッカン沢を手前にその先に雄大な前黒岳、西方向には剣ケ峰に続くなだらかな林、釈迦ケ岳などが望める。

特にここから望む釈迦ケ岳は自宅から見慣れた山容とは違う雄雄しさが感じられる。

頂上部は、いつも強風に吹き付けられているせいか、所々土の部分が見える。誰もいない頂上で食事にする。風も吹き付けてきて寒い。頂上からは剣ケ峰へのルートが延びているがとてもこの状況では挑戦する気力はない。

大入道12時30分帰途につく。先ほどの直登を下るわけだが、今度はスピードが出すぎて、上半身と下半身のバランスが悪く時折前のめりの格好になる。

揚げ句の果てに足が深い雪に引っかかり体は1回転。首にかけていたカメラは雪だるまになってしまった。

それでも下りは楽で足がもぐっても登りよりはずっと楽である。登りでは気にも留めなかったが、この辺はダケカンバが多く点在している。

帰りの時間は1時間10分ほどで下りてきたが、登りと比べて実に半分以下であり、それだけに雪の登りはつらかった
  

推定往復山行距離 6200m  標高差約420m

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