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Tak@se Web Echo

~ 山歩きの記録と山岳写真集 ~


浅草岳

あさくさだけ (1586m)
日本三百名山
2005(H17)年7月9日(土) くもり時々晴れ
新潟県魚沼市/福島県只見町

■行 程:ムジナ沢登山口 - 桜ゾネ登山口 - 嘉平与ボッチ - 前岳 - 浅草岳 - ネズモチ登山口 - ムジナ沢登山口

■浅草岳ルートマップ:【ルート確認用】 【拡大表示・印刷用】

サムネイル画像解説: ※サムネイル画像に赤枠のあるものはポップアップ拡大できます。解除は×または写真枠外をクリック。

浅草岳浅草岳は昨年秋に入叶津登山口から沼の平コースを歩いたので、今回は浅草岳が誇るひとつでもある頂上付近に咲く可憐なヒメサユリがお目当てだ。

新潟側からの初心者向きコースで2時間で頂上に立てる桜ゾネコースを選んだため、車中泊とし前夜出発する。

22時過ぎに登山口近くの魚沼市大白川の現地に到着するも浅草大橋を渡った少し先のホテル大自然館前で無情にも通行止めの看板。え~そんなバカな。魚沼市のHPにも情報はなかったじゃないか?

6月28日新潟地方を襲った豪雨による土石流のため道路崩壊とのこと。念のため現場まで行ってみる。暗いので詳細はわからないが道路半分ぐらいがえぐりとられている模様。

これではあきらめざるを得ない。山中は予定外のことも多い。案内のあった「ムジナ沢登山口」から登ることにする。案内板では予定していたコースの約2時間プラスになるとある。これじゃ初心者コースどころか健脚向きのコースになってしまった。
浅草岳行程も長くなってしまったので5時45分に出発する。登山口のムジナ沢は水量も多く豪快な音を立てて滝のようになっている。

コースはムジナ沢から離れるようにしばらく杉が混じった少し暗い林間を進む。魚沼側からのコースは唯一ここだけとなってしまったためか、登山道の両脇を刈り払った跡が新しい。

踏み跡も少ない様子でぬかるみに何度となく足をとられる。途中、幅数メートルの川を3度ほど渡捗する。水量は少なくなっており難なく通過したが、1箇所だけ対岸の位置がわかりづらかった。
浅草岳さらに進むと沢を渡る鉄パイプで組まれた橋を渡る。これも急遽造られたようで鉄パイプも真新しい。
浅草岳振り返ると遠くに守門岳が望める。
浅草岳橋を過ぎた辺りから登りも徐々にきつくなり延々と続く。それにしても林間は風もなく蒸し暑い。
浅草岳高度800mを越えてきて守門岳ほか西方向が良く見渡せるヤセ尾根に入ってくる。ここから桜ゾネ登山口まで胸突き八丁の登りが連続する。案内にある2時間コースどころではなかった。

やっとの思いで約3時間半かけてコース半ばの桜ゾネ登山口に到着する。駐車場も用意され30台ほどは置けるが、すぐ近くで土砂崩れが道路をふさいでいた。

帰りにわかったことであるが、ずっと手前の大駐車場に置くようになっており、今はこの駐車場には車を入れないようである。
浅草岳桜ゾネコースに入りすぐ登ったところにある「浅草の鐘」の塔を横目に尾根の急登がまた始まる。この辺りで標高1100m、ブナの木が主役になってきている。

1450m付近までは急登に喘ぎながらの登りが続く。完全に尾根は遮るものがなくなり今までの蒸し暑さから一転して冷風が吹き付け気持ちいい。
浅草岳嘉平与ボッチ(1485m)からすぐ先の下りにかけて突然ヒメサユリが現れた。薄ピンクのユリとしてはやや小形のなんとも上品な花である。花期も今が旬の様子。とりあえずの小さな群落にも感激する。
浅草岳この先の群落を期待しながら前岳を取り巻くようにイワカガミの咲く草原のような登りを越えると雪田に出会う。

雪田の末端には手がしびれるほどの冷たい雪解け水が流れをつくっている。早速空いたペットボトルに汲み、のどをうるおす。
浅草岳さらにネズモチコースの分岐を過ぎるとこの辺で最大と思われる雪渓に差し掛かる。一旦登ってから平らな雪渓となるが相当の厚みがあり、この冬の積雪量が多かったことがうかがえる。
浅草岳大雪渓を歩く登山者。
浅草岳ここから木道を歩くが両脇にはヒメサユリが目立って多くなる。湿原もあり草原のなかにミツガシワも見えるがちょっと離れていて写真撮影までとはいかない。

まもなく群落といってもいいくらいのヒメサユリに出会う。ユリは平地でもよく育つがよくもこんな高山に咲くのか不思議である。成長のいいものは1本の茎から3つほどの花がついているのが特徴のようだ。
浅草岳この草原に荷物をおいてひと登りの浅草岳に向かう。頂上は大勢の登山者で賑わっている。

眼下には福島側の田子倉湖が見えてきた。田子倉登山口の駐車場も良く見えている。鬼が面山の垂直の大岩壁も見事だ。遠くは霞がかかっているがこの季節としては良く見えるほうだ。
浅草岳頂上ではたまたま新潟中越地震の影響を調べるために測量会社が三角点の位置にGPS機器を設置しての測量中であった。
地震による位置のずれを調べているという。
浅草岳相変わらず頂上は騒々しく居場所もないくらいなので、入叶津コース方向に少し行ってみる。少し下がった平地には大きな草原が広がっているが、時間の関係もあり今回は遠くから眺めるだけにする。
浅草岳頂上から戻り昼食とする。この時期雨も降らずの山行にゆっくりと花を眺めてしばし休む。眠たくなるが帰りの心配もあり支度をする。

帰りはネズモチコースを下降し、崩壊した林道を経由して帰ろうと決める。その前にさっきの雪田でもう1回ペットボトルに冷水を満タンにする。

ネズモチコースは急登(坂)だとHPの情報があったが予想以上の急下降であった。湿った路面に難儀しつつ疲れた足腰にこたえる。このコースは距離が短いだけにその分急坂になるのは道理である。距離にして半分ぐらいが急坂である。坂もゆるやかになると今度はぬかるみが待っており靴もズボンもどろだらけだ。
浅草岳それでもネズモチコース登山口には1時間20分ぐらいで下りてきた。近くに沢が道路上を横切っており、先行の方が洗っていくといいですよと教えてくれた。水も冷たく顔を何回も洗いさっぱりする。
浅草岳 ここからコンクリート舗装の林道をひたすら歩くことになる。10分ほど歩くと右手にこの辺には違和感のある大きなネズモチ駐車場に差しかかる。トイレも完備されている。林道には車止めの遮断器があり登山者はここで完全にストップとなる。当初は桜ゾネ登山口まで車で行けると思っていたが・・・。ここから桜ゾネ登山口まで35分と案内板があった。
浅草岳


ネズモチ駐車場
浅草岳とにかく長い長い車道歩き。歩いても歩いても右カーブ、左カーブの連続。やがてコンクリートからアスファルト舗装になり道路幅も広くなる。

車は来ないことがわかっているので道路の真ん中や、カーブでは最短距離をとショートカット気味に歩く。大した効果はないことはわかっていても心理的に少しでも楽をと考えてしまう。
浅草岳休みも取らずにひたすら歩く。足のひらがしびれるように痛い。
左手に浅草山麓エコミュージアムを過ぎ、やがて崩落した道路に差しかかる。なるほど道路半分ほどが50mほどの長さで削り取られており、復旧までにしばらく時間がかかると思われる。

出発地である五味沢のムジナ沢登山口に着いたのは午後4時30分になっていた。
舗装道路を標高差450m、約7km余りを1時間50分ほど歩いたことになる。
歩行総延長:17km  総山行時間:10時間45分

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