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Tak@se Web Echo

~ 山歩きの記録と山岳写真集 ~


博士山

はかせやま  (1482m)
東北百名山/うつくしま百名山/会津百名山
2006(H18)年8月26日(土) くもり時々晴れ
福島県柳津町

■行 程:駐車場(道海泣き尾根登山口)- 水場 - しゃくなげ洞門 - 分岐 - 社峰(やしろみね) - 博士山頂上 - 社峰 - しゃくなげ平 - 近洞寺跡(こんどうじあと) - こぶしケ原 - 太郎平石 - 林道 - 駐車場

■博士山ルートマップ:【ルート確認用】 【拡大表示・印刷用】

サムネイル画像解説: ※サムネイル画像に赤枠のあるものはポップアップ拡大できます。解除は×または写真枠外をクリック。

博士山イヌワシの生息する山として、また、ブナ、クロベなどの大木がすばらしいとのふれこみの博士山に登る。

かつて、「道海(どうかい)」という修行僧が登りのつらさに泣いたともされる、急登で知られる「道海泣き尾根コース」から入る。

大成沢集落の林道入口には、昭和51年に柳津町が立てた看板があり、そこにはAコース、Bコースという表現でコースが紹介されている。(Aコースは現在の道海泣き尾根コース、Bコースは近洞寺(こんどうじ)コース)
博士山博士山 急登で知られる「道海泣き尾根コース」から入る。

駐車場の少し先に登山口はあるが、そこまで行ってみないとわからないくらいの地味でおまけにヤブになっている。
「博士山登山道入口」の標識が無造作に倒れて置いてある。その奥には「博士山郷土の森」の立派な看板だがススキに隠れて立っている。一瞬、この先のコースに不安を抱く。
博士山シダの林のなか小沢沿いに足元がぬかるんだ道をゆるやかに登っていくと、「水」と白い鉄板に赤字で書かれた水場に差し掛かる。

水場はここから左手に30mほど行ったところのようだが、ここは立ち寄らずに、いよいよこのコースの取り付き点を登り始める。
博士山傾斜は次第に急にはなってはくるが、どこの山にでもあるような感じの登りでもある。

序盤は大小のブナ林が中心である。やがて、徐々に登りもきつくなり、いきなり一枚岩のような大岩が道をさえぎっている。ここにはロープを補助に足がかりがしっかりしており、ゆっくり登れば問題ない。
博士山岩に取り巻くように根っこが複雑にまとわりついている。ブナのほかにクロベ(※)の大木が目立ち始まる。





※ヒノキなのかアスナロなのかそれともクロベなのかはっきり区別もわからないので、ここではクロベの表示に統一する。
博士山登山道にはクロベなどの根っこが張り出して、ちょうど手がかりによい。ロープも補助的に使うが、どちらかというと手の先にある根っこのほうがしっかりしており頼りになる。
しかし、これが連続してあるために体力も使うし息も切れる。
博士山しゃくなげ洞門と呼ばれる場所には、2つの大きな岩に隙間があり、その上にクロベの倒木が横たわり、ちょうど屋根になってさらにシャクナゲが群生している。
この岩のトンネルは通行禁止になっている。
博士山ここまでできつい急登がほぼ終わりとなる。道はゆるやかになるが、木々が蔽いかぶさりトンネル状のなかを前かがみで進む。
博士山やや急登も織り交ぜながら進むと、分岐点である主稜線に出る。左は山頂へ、右は近洞寺跡を経て下山方向になる。

辺りは一段とクロベの大木が目立つようになる。幹の直径2mほどのものがざらにある。
博士山道は主稜線上あるいは少し右手側の森に入ったりして続いているが、主稜線上では左側が急激に切れており踏み外しには要注意。しかし、木々がこれを遮っているためさほどの恐怖感はない。
博士山稜線は次第に登っており、疲れもたまってくるとまもなく小ピークである社峰(やしろみね)に到着する。

ここは昔、伊佐須美神社(いさすみじんじゃ)があったところで、こんなところにあったなんてと思わせるような位置でもある。
博士山この先山頂までもうひとふんばりの登りだが、いったん下がってから登り返す。

道はほとんど手をつけられずヤブ状態。道自体は踏み跡も確かでしっかりしているが、せめて両側の枝払いだけはしてほしいもの。
朝露や雨ではカッパを着ないとずぶ濡れになるだろう。

頂上では、福島県の山を登りながら交通安全祈願を行っているという僧侶に出会う。ちょうど着いたところで祈願のご祈祷をされている最中で、ひとときの間神妙な気持ちで立ち会う。
なんと、歩くスピードはちょうど私の倍の速さで登ってきたとのこと。
博士山頂上で昼食後、一緒に登ってきた茨城の方と下りることにする。
分岐点まで戻り、ここから「下山」と書かれている道を近洞寺跡経由で向かう。
博士山最初はゆるやかに下がって行くが、途中から急になってくる。今日は靴を変えたためか指先が痛んできた。

途中、ブナの倒木が2ヶ所ある。登山道を全くふさいでおり、横柄して倒れたブナの上から飛び降りたら目測を誤り転倒する。幸いなんともなかった。(ホッ)
登りに体力を使ったせいか下りの体力がかなり落ちている模様。
博士山やがて、大成沢までもう少しの看板に差し掛かる。
小沢に下って、そこを左折する。ゆるやかに沢沿いに下っていく。
前方が明るくなって目指す林道はもう少しの予感がする。しかし、まもなくその期待は裏切られる。

杉が植林された林地に道は続いているが、そこで道は途切れるようにヤブの中となる。
先行者が通ったと思われるやや草が乱れているところを見て、ヤマ感でヤブの中に入る。

足元には確かに踏み跡とわかる固い土であることがわかるが、背の高さをはるかに越すススキなどの草木を払いのけながら、踏み跡を慎重にトレースしながら進める。

途中には藁のロープが何本も道を横切って張られ、道を塞いでいる。ここで曲がれとの指示なのかとも勘違いする。よく見るとどうも杉が倒れるの防ぐためのロープらしい。
博士山何とか草木の間から林道が見えてきた。出口も不明瞭で適当に背の低い草木を目当てにどうにか林道に出る。

感じではこの区間100mぐらいはあったかも知れない。しかし、周りの様子が全く見えないなかを歩くのは非常に心理的にも心細い。
登山道の管理は行政機関が主体であると思われるが、博士山のコースは2つあることになっており、分岐点では明確に「下山」と表記されている。にもかかわらず全く草刈もされていない道では登山用コースとはなり得ないと思う・・・。
駐車場や分岐点にはその旨を明確に記しておくべきだ。
また、分岐点~頂上間は道の両側の刈り払いや近洞寺コースの倒木の整理も要望される。
博士山林道からよく見ると登山口が近くにありました。






道標は簡単な資材に手書きで、指示も不明瞭の感じがするし、倒木も数年前のものと思われ、全体的に行政が関与しているとは思えないような感じがする。

こういったコースがこの辺では常識だと言ってしまえば話しは終わりだが、ある程度メジャーな山では、登山道は行政や愛好者の方々がまさに奉仕の精神で関わっているのが多いし、せっかくの素晴らしい森でもあり、手ごわいコースでもあり、みんなが安心して楽しめるように、”手つかずの自然”を”少しだけ手をつけて”もらえたらなと、ちょっと思うところありの山行でした。

総山行時間:6時間50分

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