南会津町田島(旧田島町)から国道400号を舟鼻峠を経由し、昭和村方面に進める。峠まではくねくねと狭い道を登っていく。
村手前で左折し村道?(舗装)を大芦方面に進む。道の至るところに「入山禁止」の赤い看板。これほど多いとさすがに山に入るのも躊躇するだろう。
やがて大芦集落に出ると、国道401号線と出合うので左折する。
冬場の融雪のために水を出しているためか赤茶けた道路になっている。ここから、「畑小屋」まで5kmの標識に従い左折する。
まもなく目指す「御前ヶ岳」がちょうど正面に見える。
舗装道が切れるところが登山口である。
その手前に10台ほどの駐車場が用意されており、その一角に御前ヶ岳のいわれが説明されている。
【御前ヶ岳のいわれ】 【拡大表示】
道は小さな橋を渡り、民家の軒先を回るようにつけられている。
この辺の至るところに、湧き水が流れ、バシャバシャと水の流れがにぎやかだ。
林間に入ると、道は草が生い茂っている。たちまちズボンは朝露でびしょぬれの状態。
この先もこんな調子なのかと不安になるが、すぐにそれも解消し、安心して歩けるような道に変わっている。
少し行くと、「山の神ルート」と分岐するが、こちらは通行禁止になっている。もう何年も禁止状態らしく、登山道も草が茂って不明瞭となっている。
しかし、この山、妙にキノコが多い。明らかに毒キノコもたくさん混じっているが、何せキノコについてはほとんど無知。
「チチタケ(通称ちたけ)」ぐらいしか明確にわからない。タマゴそっくりな「タマゴタケ」がたくさんある。これは食べられるキノコではなかったかな~と思い出すが、はっきりとした自信はない。
道は少しづつ登っているが、そうきついものではない。
タマゴタケ写真
30分ほど歩くと道はきつい登りになってくる。
トラロープの助けを借りながら登っていく。
ほとんど直登のコース。
やがて岩場に出る。
この辺がいちばんきつい登りかもしれない。
小石が浮き出ているので落石を起こさないよう気をつける必要がある。
左手に大きな岩が目立つようになると、ここで急登は終わりになり、稜線に出たことがわかる。
この急坂はだいたい40分ほどの区間。
ここから頂上に向かう広い稜線に出る。
草かげで良く見ないと通り過ぎてしまいそうなところに、風穴らしきものがある。
穴からは風が出ているらしく、中に少し入ったところの草が揺れていた。
駐車場にあった御前ヶ岳の由来には、この風穴を「御前のやさしいお声が聞こえるような気がする」とあるが...。
稜線部はブナやシラカバの林になっている。
秋にはすばらしい紅葉が望めるのでは。
頂上も間近と思われる右手に、紅梅御前と並木姫が一時この地に住んだといわれる遺跡がある。
ほどなく山頂に達する。
山頂部は雑木を伐採し、刈り払いのあとがあり広くはなっているが、その後はそのままのようで、草が生い茂りゆっくり腰をかけて休むような場所は少ない。
ところで、山頂の標高であるが、1234mと表示されている。国土地理院の地図では1233.1mとなっており、四捨五入しても1233mなのでは?
頂上からは、北方向しか開けていない。
なかでも博士山、志津倉山が良く見える。
休んでいると空にはうろこ雲が。
夏真っ盛りではあるが、もう秋の気配が感じられる。
帰路は同じ道を帰ることになるが、先ほどの急坂は下りにそのきつさを実感する。。
ちょっとつまづくと転げ落ちるだろう。ロープの助けを借りながらも持つ手がしびれている。
今日は行きも帰りも誰とも遭わない静かな山行ではあったが、山中は比較的明るいため、不安はさほでもなかった。