角田山は早春の時期にオオミスミソウが咲き誇る山として知られているが、すでにミスミソウ類はとうに終わっている。日本海に面し厳しい環境条件のなかに多くの種類のミスミソウが咲き誇るのか、不思議な感はするが知る由もない。ぜひシーズンには訪れてみたい。今回は下見気分の山行。
角田山は山すその各方向から7つのコースが代表的といわれるが、他にもマイナーな多くのコースが開かれているようだ。
今回はその中でも唯一眺望の良い「灯台コース」を選ぶ。それだけに標高差は他のコースよりもあり、ストレートに山そのものの標高を登ることになる。
そして、復路は隠れた存在とのうわさがある「桜尾根コース」とする。
海なし県に住むものにとって、「海」そのものへのあこがれや旅情を誘う。
しかし、砂浜のゴミの散乱が気になった。流れ着いたものらしく、漁具や生活用品などが足の踏み場もないほど。容器の文字を見ても外国からのゴミも相当ある。
海水浴シーズンには整理されるのだろうが果たしてきれいになるのだろうか?
角田浜には大きな駐車場があり、夏の海水浴シーズンは大混雑になるのだろうが、今はあまりに閑散しすぎてどこに駐車したらよいか迷ってしまうほど。
海抜0mからの登山ははじめての経験。
なんとなく気分が高まる。
まずは、灯台を目指せばよい。
灯台の両側から登れるが、一方は駐車場がなく車道のトンネルをぬけて行かなければならないので、海水浴場でもあり、民宿が立ち並ぶ角田浜側から階段を登り灯台へ。
今日も見通しは良さそうだ。遠く佐渡まで見渡せる。
難なく角田岬灯台に。この灯台は手軽に登れるので海水浴客が多く訪れとのこと。無人で遠隔操作しており、新潟、佐渡間の重要な灯台とのこと。
灯台から、細い尾根を登っていくと、道のかたわらには、はじめて目にする「ホタルカズラ」の青がさわやかに目に入る。次第にピンク色へ変化していくという。
先が海のせいか、高度感がある。
角田浜海水浴場を望み、「越後七浦シーサイドライン」が真っ直ぐに延びている。
道は大小のアップダウンの繰り返しとなる。(何回繰り返したか数え切れなくなった)
細い尾根には岩場もある。
だいぶ登ってきた。
この辺から佐渡に沈む夕日を撮れたらなと思う。(夕暮れになるが、ここまでの距離であればヘッドランプ持参で十分可能だ。)
やがて「ヤマナシ」の木がある地点に。
葉っぱを見て梨の木とすぐわかる。花も最盛期。
ゆっくり一服によい。
アップダウンの合間には平地もある。ここで呼吸を整える。
それにしても暑い。ときおり谷から涼風が吹きつけてきて生き返る。
灯台コースは陽射しを直接受ける割合が高い。(それだけに見晴らしはいいのだが)
周りの山並みから、やがて登りも終盤かと思った頃、浦浜コースからの分岐に差し掛かる。
ここは進路を左にとり頂上をめざす。
あとはほとんど平坦地。
三望平からあと525mとかなり細かい距離表示がある。
灯台からここまで2480mを歩いたことがわかる。
角田山頂到着。
別名「長者ケ原」とも言われる。
山頂は近くの公園に来たのかと思うほどの広さと人の多さにびっくり。
異常な暑さから、木陰に陣取って思い思いの昼食風景だ。
簡易テントを持って来ている人もいる。
ここも角田山同様、老若男女でにぎやかだ。
しばらく横になって昼寝となる。
復路は一般に公開されていない「桜尾根コース」を辿ることにする。
しかし、非公開ゆえに道標もなく桜尾根への入口がわからない。
登ってきた灯台コース尾根のひとつ隣りであることはわかっているので、大体の見当をつけて入口を探す。
割としっかりとした道があった。このコースが桜尾根コースと確信する。
少し下りて行くと前方から登ってくる方もいるので、安心する。
非公開とはいえ、だいぶ歩かれているのが道の踏み跡からもうかがえる。
このコースはオオミスミソウの宝庫らしい。
遅ればせながらイチリンソウがいくつか咲いていた。
花びらが大きく、清楚な感じ。
どんどん下っていく。
眺望はほとんどないが、この暑さには日陰でちょうどよい。
今日のカンカン照りの天気にはベストなコース取りかも。
やがて車の音が聞こえて来ると、砂混じりの道となる。海辺から吹き付けた砂が溜まったのだろう。
灯台近くの国道沿いに出る。登山口には15台は楽に停められる。