佐野市田沼市街から県道201号(作原田沼線)を旗川沿いに北上する。民家もまばらになり、街道脇には梅が多く栽培されちょうど花が満開の山あいに入ってくる。
今日、目指す登山口は、右手の真如院を過ぎるとすぐに分岐があり、ここがバス停の小戸口となっているので、ここを左折する。右手に行くとすぐに蓬山ログビレッジがあり、食事などができる。さらに奥に進むと西沢登山口方面となる。旗川もここで2つに分かれ、右手は大戸川、左手は小戸川となる。
道は砂利道の狭い林道に変わり、対向車とのすれ違いは適当な路肩で譲り合いとなる。約5.5kmで林道終点となりここが小戸登山口となる。
駐車場は小戸川沿いにあり、魚止めの滝を過ぎてまもなくのところにある。せいぜい10数台しか停められない感じだ。
混雑時は途中の林道路肩に駐車せざるを得ないが相当歩くことになるだろう。
登山道は沢の右岸から進み、清流の音を聞きながらなだらかに登っていく。
コース中、小さな滝が6つもある。まず「まな板の滝」だ。2段となっている。
この沢には小さなわさび田がたくさんある。渓流沿いを巧みに利用している。
2番手は「五段の滝」。五段まではっきりとは確認できないが、大岩が狭まりゴルジュ帯となって風情があり見所だ。
滝の上段を回りこむように、岩壁をくりぬいた歩道を歩く。
断崖絶壁で、落ちたら五段の滝まで落ちてしまうスリリングなところだ。
3番目は「仙の滝」
登山道右手に、「11本の杉」というところに出る。なるほど11本の杉が並んでいるが、周りの杉と比較しても年代が違うことがわかる。
何のいわれかはわからない。
分岐がある。左手方向に続いているが、ここは丸岩岳へのコースを行く。
帰りにここを歩いてくる予定だ。
続いて4番目の「小坂の一の滝」
岩についたコケを見ていると、名前はわからないが可憐できれいな花が咲いていた。
わさびは花の季節となっている。
5番目は「小坂の滝」
小坂の滝上部には、「小坂の水神宮」が祀られている。
だいぶ上流になってきたが、まだまだわさび田は続いている。
最後、6番目の滝は、「ささら釜の夫婦滝」。
登山道を杉の倒木が痛々しい。
この先、倒木で夫婦杉への道が分からなくなり、しばらく右往左往する。
(3週間前の大風で倒れたとのことで、5月連休までには修復するとのこと)
幸いに「夫婦杉」はかろうじて生き残った。
途中、わさび田の最奥部で作業をしている方とわさびの話や山の話などをすることができた。
帰りは丸岩岳を経て「いちろう新道」を下りると話したら、驚いたことに、その「いちろう新道」を造ったのは私だとのこと。
お名前をうかがったら「○○いちろう」さんとのことで納得。
わさびの栽培とともに、この山の登山道整備もされておられるとのこと。ご自分でも山歩き、写真もやられるそうで、年齢(76歳)を感じさせない容姿とバイタリティーに感服した。
やがて沢は二手に分かれ右手の沢に入るが、水の流れはなくなってきた。
笹が茂る雑木林に入り、この辺から登りがきくつなる。
支尾根に出て右手に方向を変える。まもなく熊鷹山から伸びる主稜線に出る。
木の鳥居をくぐり山頂へのやや急登となるが、そんなに距離はない。
熊鷹山頂は狭いが、木造の展望台が建てられている。
遮るものなしの絶景を堪能できる。
やや南方向が霞がかかっていた。
男体山はいつでもシンボル的存在。
白根山(右端)から皇海山(左端)まで。
遠く上越国境の谷川岳、苗場山が残雪に白く輝いている。
赤城山とその左奥には浅間山が見える。
突然、マウンテンバイクの二人が登ってきた。こんなところまでとびっくりする。
熊鷹山頂をあとに丸岩岳に向かう。気持ちの良い笹原の稜線歩きとなる。
小ピークを経て約40分ほどで丸岩岳に到着。
丸岩岳頂上から「いちろう新道」に入る。
少し行ったところに社がある。
社があるということは、この新道付近には昔から地元の方が行き来していたのかもしれない。
急降下から始まるがそれほど続かず、次第にゆるやかになってくる。
沢音が聞こえ出すと、もうすぐだというのがわかる。
沢のすぐ上部になると、細い尾根に入りヒノキ(アスナロ?)が林立している。
ここまで来たら、道は尾根右手に下りることになるが、まっすぐ尾根を進んでしまうと先は絶壁で行き止まり。右下にトラロープが張ってあるが、気がつかないかも知れないので、要注意。
このヒノキ林には、導標がないので要注意。
トラロープに導かれ、落ち葉がきれいに敷きつれめられた林に出る。
ここを少し下りると往きに歩いた道に合流し、あとは登山口まで20分ほどで到着する。
この歩いたコースは、渓流沿いの滝めぐりや、季節にはツツジ類の群落が見事に彩ると思われ、距離もほどほどである。
同じ県内ながら登山口までのアクセスに難があると敬遠していたが、はじめてここを歩いてみて、なかなかいい感じの山行が期待できると感じた。
山頂からさらに伸びる稜線を歩いての根本山、氷室山なども良さそうだ。