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Tak@se Web Echo

~ 山歩きの記録と山岳写真集 ~


女峰山

にょほうさん(2483m)
日本二百名山/栃木百名山

2012(H24)年8月15日(水) 晴れ時々くもり
栃木県日光市

■行 程:志津乗越(駐車場)-車止めゲート - 馬立 - 荒沢川出合 - 水場 - 唐沢小屋 - 女峰山山頂 - 専女山 - 帝釈山 - 富士見峠 - 馬立 - 志津乗越

サムネイル画像解説: ※サムネイル画像に赤枠のあるものはポップアップ拡大できます。解除は×または写真枠外をクリック。

女峰山光徳から裏男体林道を経由して、男体山と大真名子山との間にある志津乗越まで車で入れる。
志津乗越は男体山、大真名子山そして女峰山への3つのルートの基点となっている。


女峰山へは、健脚者は大真名子山-小真名子山経由で登ることができるが野州原林道をひたすら歩くコースが一般的。(逆のコース取りもあり)
野州原林道は、大真名子山、小真名子山を巻くように林道がつけられている。

5時30分、志津乗越をスタートする。
女峰山林道を歩き始めると、カラマツが光り輝いていてきれいだ。ちょうど霧氷を見ている感じ。

今頃霧氷はあり得ないので、よく見るとカラマツの葉にたくさんの小さな水滴がついていて、それが光っていた。
女峰山約20分ほどだらだらと下りながら歩いて行くと車止めのゲートがある。

空いているときはここまで車が入ることができ、適当な路肩に置くことができる。


女峰山ゲートを過ぎると林道が河原のような状態だ。

この辺はまだ良いほうで、この先、道は深くえぐられ無残な姿になっている。
歩くのにも難儀することになる。

以前は小砂利が固く締まって歩きやすい林道だったが・・・。
女峰山スタートしてちょうど1時間で「馬立」というところに到着する。距離にすると約3.6kmだ。

ここからが女峰山への登山らしき道の始まりでもある。

右手に分かれ約70mほど急下降する。
女峰山下りるとそこは水のない河原で、大きな沢が合流したところに出る。
本流は荒沢川で、のちに日光市郊外の裏見の滝に流れ落ちる。

登山道はこの河原を渡り向こう側の沢沿いに出る。
大きな岩にマークがあるので、よく見極めればわかるだろう。
女峰山右手に新しく造られた巨大な堰堤を見ながら徐々に高度を上げていく。

この先水場地点まで、この沢の右岸を高巻きして進むことになる。

女峰山ほとんど見晴らしのないコメツガの林を急登していく。

コース最初の息づかいが荒くなるところで、汗も滴り落ちる。
女峰山ちょっと開けたところからは、大真名子山がはっきり望める。
女峰山かなり上がってきて、右手の沢との高さが一致するようになる。
源流部に近づいたことを感じさせ、唐沢小屋を示す標識がある。

この沢を対岸に渡る。

沢といっても大小の岩が転がったガレ場で、さらに頂上付近まで続いているように遠く見通せる。
女峰山対岸すぐに水場がある。水量は多くはない。
女峰山さらに急登が始まる。

薄暗い林に光が射し込む。
女峰山ガスが湧いているが左に男体山、右に大真名子山。

山頂部の山容が同じように見える。  
女峰山すさまじい崩壊だ。
荒れた山肌を見て大変な状態であることを改めて認識する。
女峰山小屋に程近いところの崩壊は、ちょうど登山道にまで及んでおり、近い将来登山道も見直すことになりそうな気配。
女峰山唐沢小屋に到着する。

ここまで3時間かかる。
小屋のなかをちょっと拝見したが、中はきれいに掃除がされていた。
女峰山いよいよ頂上へ240mのがんばり。

小屋裏手からコメツガの林を進むが、広い林間で、ときには道が数本あったりで濃霧時は道を間違いやすいのではと感じた。
女峰山やがて林を過ぎるとガレ場に出る。

ここをガレ場の向こう側までトラバースし、また大きく折り返しながら次第に高度を上げる。
山肌は滑りやすく、さらに不安定な岩屑が転がっており忠実に踏み跡を歩く必要がある。
女峰山ガレ場上部に進むと規則正しく模様をした柱状節理の岩が明確にわかるようになる。

このガレ場を過ぎると再び林に入り急登する。
女峰山女峰山神社の社に出る。

山頂は左手奥の小高いところ。
女峰山女峰山山頂。
女峰山今日は下界は曇りなのだろうか、東・南方向は一面の雲海。
まさに雲上の人。

赤薙山方向を見る。
男体山は残念ながらガスの中で頂上部だけが見え隠れ。
女峰山西にはこれから進む帝釈山が望める。
細く切れ落ちた稜線が望める。

北方向は、雲が多く山名を確認するまでには至らなかった。

今日は登頂者は少ないようで6名しか行き会っていない。
約30分、山頂を独り占め。
女峰山山頂直下の急斜面を慎重に下りて稜線に出る。
稜線上はスリル満点のこのコースのハイライトでもある。

女峰山の雄姿を振り返る。

登山道、稜線上にはこの時期の花たちが競って咲いている。
ゴマナ、キオン、ミヤマホツツジ、イチヤクソウ、トウヤクリンドウ、ミヤマコゴメグサ、アキノキリンソウ、ヒメシャジン、オトギリソウ、オンタデ、トモエシオガマ...。
女峰山今日は風も弱く気持ちの良い涼風が吹いている。
しかし、ここは時として強風の名所でもある。以前ここを歩いたとき、四つん這いになって歩いた記憶がある。

木々の支えもなく際どく切れ落ちたところが多くあり要注意のところ。
女峰山登山道を遮るように立ちふさがる岩峰に出る。
クサリが用意されているので、中段までクサリを使って登ってから、右側に回り込んだほうがよいだろう。さほど難しくないが、両側が切れ落ちている。

ここを上がったところが「専女山」と呼ばれるピーク。
「せんにょさん」と呼ぶのだろうか定かではない。地形図には山名の記載がない。
女峰山帝釈山へは急坂を一気に登りつめる。

ガスがこの稜線上にも上がってくる頻度も多くなり見通しも悪くなってきた。
女峰山帝釈山山頂(2455m)。
女峰山帝釈山頂から富士見峠まで標高差約400mをほぼ直線状に一気に下る。
女峰山富士見峠(2036m)に到着。
小真名子山への登山口でもある。

昭文社の登山マップで計算すると、小真名子山-大真名子山-志津まで約3時間50分とある。休憩も含めるとさらに1時間はみたほうが無難かも。

単調な林道歩きでは2時間20分である。
どちらが良いとは言えないが、山ヤなら当然に小真名子方向へ向かうだろうが、体調と帰着時間そして天気で判断すべきだろう。
女峰山そういうわけで結局、カミナリ様の心配もあり帰りは林道歩きとする。この林道は3回目。

林道がこんな状態になっているとは思ってなかった。以前はきれいな林道であったが・・
まるで河原を歩いているようだ。
女峰山さらに最もひどいところに・・・。
大量の土石流が襲ったのだろう。林道は寸断されどこを通過したらいいのか迷った。
沢底まで洗い流され岩盤が広範囲にむき出している。

ごく狭い範囲で歩いたなかでもこんな状況が随所で見られ、山体崩壊の拡大のほかこの長い林道だけでも半分以上は被害があると思われる。

さらに日光山域だけでも膨大な被害があるだろうと容易に予想される。火山性の土壌のため大雨などで容易に崩壊する地質ゆえの悩ましい要因だろうが、まだ復旧工事が始まった様子もみられず大変な問題と思われる。

14時25分志津乗越到着。
女峰山 スライドショー
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