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Tak@se Web Echo

~ 山歩きの記録と山岳写真集 ~


子持山

こもちやま(1296m)
ぐんま百名山

2015(H27)年4月18日(土) 晴れ
群馬県渋川市/沼田市

■行 程:7号橋駐車場 -- 登山道入口--屏風岩 -- 獅子岩(大黒岩) -- 柳木ケ峯 -- 子持山-- 柳木ケ峯 -- 大タルミ -- 獅子追手の滝 -- 8号橋 -- 7号橋駐車場

■子持山コースマップ:【ルート確認用】 【拡大表示・印刷用】

サムネイル画像解説: ※サムネイル画像に赤枠のあるものはポップアップ拡大できます。解除は×または写真枠外をクリック。

子持山
 そろそろ遠出をしようと、群馬県の山を探していたら、子持山という山名が目に付いた。初めは山名からして何か子供に関係する山かなと調べたら、まさに麓には子持神社があり、子授け、安産の守り神で古くから信仰されてきたとのこと。

 それにも増して驚いたのは、この山全体が大変古い火山で、地下深くから噴火口(マグマが噴出する道・火道)にかけて円筒状に固まった。その後長い時間を経て侵食されたが、固まった火道は固いため生き残り、「獅子岩」として現在に至っている。
 その火山の地下内部だった岩塔をじかに触れ、見ることができる。それが高さ100mほどの獅子岩(しし岩)だ。

 また、獅子岩(大黒岩)を中心に放射状にマグマから派生していた岩脈があちこちに出現しその跡が見られる。まさに当時の火山の内部を歩くというめずらしい山だということが分かった。おかげで火山学に少しだけ触れる山旅となった。子持山

  

子持山 大鳥居から狭い林道を約1km走ると、左手に子持神社がある。祭神は「木花開耶姫命(このはなさくやひめ)」。日本武尊、上杉謙信、武田信玄など歴史上の人物が登場し由緒ある神社でもある。ここで登山の安全祈願をする。

 神社を後にして、林道をさらに奥に進む。道は舗装されているが狭いので対向車がある場合は譲り合いとなるだろう。沢沿いに走るので橋がいくつも架かっており、その橋には1号橋から順に番号が付けられている。神社から約2km走ると7号橋駐車場に到着する。この先に8号橋があるが、そこは緊急車両専用だそうだ。

 駐車場には地元の方が案内してくれている。この山は高さはないけれど中級以上の厳しさがあるから十分注意して下さいとのこと。子持山


 駐車場から見上げるといきなり威圧するような鋭く切り立った岩塔が現れる。屏風岩だ。
子持山
 
 
子持山  7号橋からほんの少し歩くと、登山口脇の右手高台に子持神社奥の院が祀られている。

 
子持山コースガイド子持山


 登山口は7号橋から100mほど歩くと、マスコットのキツネちゃんが出迎えてくれ、案内板と登山口標識、登山カードポスト、立派な登山ガイドが用意されている。
子持山  登山口から板張りの木道を歩く。


子持山


 100mほど木道を行くと、沢に架かる太鼓橋が見える。
 太鼓橋を渡ると「役の行者像(えんのぎょうじゃ)」が建立された屏風岩の基部になる。
子持山 屏風岩を見上げると圧倒的な威圧感。垂直というよりオーバーハングしている。火山岩特有の柱状節理が見られる。
 
 この屏風岩は、しし岩を中心とする放射状に広がる火山の岩脈のひとつで固い安山岩の一枚岩という。子持火山のときはこの岩は溶岩で火口深くにあったという。
子持山
 屏風岩を過ぎるとしばらくヒノキ林を主体とした森を水量の少ない沢の中を歩く感じで、徐々に高度を上げていく。

 

子持山
 途中に屏風岩への分岐があります。ロッククライマー向きで一般登山者はあまり行かないようだ。この地点に「円殊尼の歌碑」がある。
 歌碑は、「子持山もみじを わけて入る月は にしきにつつむ かがみとぞ知る」とある。子持山に関する歌碑は万葉集の東歌に多く残されているそうだ。

 ところで、ヒノキに巻いている番号は、遭難した際にその地点の番号を知らせると容易に見つけられるようにとの配慮だそうだ。
子持山
 こんなヒノキ林を沢づたいに進む。
 そういえば、登山口駐車場にいた案内係の方が言っていたが、地元の方達の共有林40haほどが、この山にあるとのこと。

子持山
 ヒノキ林から落葉樹林帯に入ってくる。落ち葉が敷き詰められきれいな山林だ。

 しかし風景とは裏腹に、徐々に厳しい登りに。
 沢もほとんど涸沢になっている。

 次第に大きな岩盤が目立ってきた。先を見通すと青空が透けてきて稜線と思われる。子持山
子持山
 稜線(峠)に出る。
 ここには6号橋からのルートが合流している。

 ここから獅子岩に向けて急登となる。
子持山 まさに岩盤上を歩く。
子持山
 上部に出るとT字路になり、右は子持山、左は獅子岩。
当然に獅子岩に向かう。子持山

獅子岩の基部に着く。
子持山
子持山  獅子岩基部を半周ほど裏側に回ることができる。




 しかし、狭い通路で左側は断崖絶壁なので慎重にも慎重に!子持山

子持山
子持山 断崖絶壁に長居は無用なので、戻って獅子岩のてっぺんに登る。まずは鉄梯子から。

そしてクサリをよじ登る。

子持山
 獅子岩の頂上に建立された石碑。
御嶽山神社、八海山神社、三笠山神社が祀られている。

ここは元々、地下のマグマから噴き出す溶岩の噴出する火道そのもの。
子持山
 これから行く子持山へのルートが確認できる。
子持山
 獅子岩のてっぺんから真下を見下ろす。


 榛名山方面を望む。
子持山



子持山
 いま登ってきた獅子岩を望む。 子持山




 分岐点でもある柳木ケ峯を通過し、頂上まで最後の頑張り。
子持山
子持山頂上の手前にある大きな岩。
あの辺りを通るようだ。
子持山 


 岩場で急登の連続で登りよりも下りのほうが気を使うだろう。
子持山
 子持山山頂に到着。

 多くの人々で賑わっていた。 子持山 

 眺望は春霞気味だが良好だ。
頂上からの眺望

三国山脈方面

谷川連峰

武尊、尾瀬方面
子持山
 分岐のある柳木ケ峯で、往路とはコースを変え、「大タルミ」に下る。

 分岐から少し下ると、ものすごい急斜面がしばらく続く。
 道はジグザグに付けられているが、踏み外すと転げ落ちるだろう。
このコース、登りに使うにはかなりきついかな。子持山


 やがて、傾斜も緩くなり「大タルミ」の分岐となる。
子持山
 木々越しに獅子岩が見える。
子持山
 「大タルミ」からは、沢づたいにだらだらと下っていく。

 八号橋にほど近いところに、「獅子追手の滝」がある。いまどきは水量は少なく濡れている程度で、注意して通過しないと気づかないかも。
 子持山


 八号橋登山口を通過する。出発した七号橋はすぐ先にある。