そろそろ遠出をしようと、群馬県の山を探していたら、子持山という山名が目に付いた。初めは山名からして何か子供に関係する山かなと調べたら、まさに麓には子持神社があり、子授け、安産の守り神で古くから信仰されてきたとのこと。
それにも増して驚いたのは、この山全体が大変古い火山で、地下深くから噴火口(マグマが噴出する道・火道)にかけて円筒状に固まった。その後長い時間を経て侵食されたが、固まった火道は固いため生き残り、「獅子岩」として現在に至っている。
その火山の地下内部だった岩塔をじかに触れ、見ることができる。それが高さ100mほどの獅子岩(しし岩)だ。
また、獅子岩(大黒岩)を中心に放射状にマグマから派生していた岩脈があちこちに出現しその跡が見られる。まさに当時の火山の内部を歩くというめずらしい山だということが分かった。おかげで火山学に少しだけ触れる山旅となった。
大鳥居から狭い林道を約1km走ると、左手に子持神社がある。祭神は「木花開耶姫命(このはなさくやひめ)」。日本武尊、上杉謙信、武田信玄など歴史上の人物が登場し由緒ある神社でもある。ここで登山の安全祈願をする。
神社を後にして、林道をさらに奥に進む。道は舗装されているが狭いので対向車がある場合は譲り合いとなるだろう。沢沿いに走るので橋がいくつも架かっており、その橋には1号橋から順に番号が付けられている。神社から約2km走ると7号橋駐車場に到着する。この先に8号橋があるが、そこは緊急車両専用だそうだ。
駐車場には地元の方が案内してくれている。この山は高さはないけれど中級以上の厳しさがあるから十分注意して下さいとのこと。
駐車場から見上げるといきなり威圧するような鋭く切り立った岩塔が現れる。屏風岩だ。