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Tak@se Web Echo

~ 山歩きの記録と山岳写真集 ~


持丸山

もちまるやま(1366m)
栃木百名山

2017(H29)年11月5日(日)晴れ
栃木県日光市

■行 程:芹沢(ふくろうの里・芹沢薬師堂) -- 東電111号鉄塔 -- 1044mP -- 114号分岐 -- 持丸山 -- 114号分岐 -- 持丸沢林道-- 芹沢

持丸山ルートマップ

■サムネイル画像解説:サムネイル画像に赤枠のあるものは拡大できます

持丸山へは、国道121号(会津西街道)の中三依地区(中三依温泉駅)から芹沢地区に入る。国道から市道に入るとすぐに芹沢橋を渡る。下坪、中坪と続き、登山起点となる上坪地区となる。

芹沢薬師堂が右手に見え、目印となる。この地域は「ふくろうの里」として地域おこしを行っており、チェーンソーアートとして丸太を加工してフクロウを生産している。なるほど集落の各家々の軒先には思い思いのフクロウが鎮座している。

持丸山へのルートはいくつもあるようだが、全般的に明確な登山道がなく笹藪もある。唯一、道があるとすれば東京電力送電線の鉄塔巡視路が各鉄塔ごとにあるのと、持丸沢林道があるだけ。
今回初めて持丸山を歩くが、登山口として選んだのは芹沢集落の持丸沢林道の起点となる地点で、持丸沢を渡り、向かい側の尾根を登るコースとした。帰りは持丸沢林道を歩く。

ところで、2015年(平成27年)9月9日から11日にかけて大雨により各地で大被害を受けた。「平成27年9月関東・東北豪雨」と気象庁が命名したように、この地域一帯も大きな被害地となった。「持丸沢林道」も同様に壊滅的な被害を受けた。実際歩いてみて、自然の猛威のすごさと共に人の無力さを思い知らされた。渓流のイワナが激流に流されていなくなったとの話もある。現在、林道周辺は全く手付かずの状態であったが、集落内の河川などの復旧工事が優先されており、林道復旧はまだまだ先なのではと思われるが、早い復旧が望まれる。
 
登山口
ここを左折すると登山口(持丸沢林道入口)

持丸山登山口
芹沢薬師堂

持丸山登山口
フクロウなどの加工品

登山口
登山口(電柱奥の持丸橋の先)
持丸山
流木が重なり合う河川を渡り、向かい側の尾根に上がる。
持丸山
この尾根を上がると東電送電線111号鉄塔。

急登!

鉄塔まで標高差約250mを稼ぐことになり、朝から厳しい。
 
持丸山
尾根を外さないように適当な位置取りで歩く。尾根は落ち葉が敷き詰められていてきれいだ。
テープはなく、時々踏み跡らしいのが分かる程度。
持丸山
直登に疲れ、尾根から右手の方から回り込もうと進むと、鉄塔巡視路の特徴である階段が見えた。おそらく一つ手前の110号鉄塔からの巡視路と思われる。

ここを辿れば目指す111号鉄塔に続くはず。ジグザグに道は付けられているのでだいぶ楽になる。
持丸山
111号鉄塔に到着する。
風が強くなり、送電線のゴォーという音が恐怖心を煽る。
何線かなと鉄塔を見ると、右側の表示が下郷線、左側の表示が塩原線とある。

後で分かったが、下郷線は福島県の大川ダムにある下郷発電所から、塩原線は栃木県那須塩原市の蛇尾川ダムの塩原発電所からのもので、芝草山の麓でこの2線が合流している。
持丸山
111号鉄塔から112号鉄塔まで巡視路があり、少し歩いてみたが、あまり行ってしまうと下降してしまうので、途中から稜線上を歩くことにする。

稜線に上がると、腰あたりまでの笹が生い茂る。テープも見当たらないが稜線上をはずさなければ問題ないだろう。
持丸山
標高はゆっくりと登っている。標高1000mを超えており、ほとんどの樹木は葉を落としているが、モミジやカエデの紅葉を楽しみながら進む。
持丸山
あざやかなモミジの紅葉が目を引く。
持丸山
だいぶ高いミズナラの木に大きな熊棚があった。

※頂上手前の地点で2名のご夫婦に出会ったが、先ほど熊を見たとのこと。
今日の持丸山は人間3名、熊1頭かも。
 
持丸山
初めて持丸山が見えてきた(左手のピーク)。
この辺りで標高1060mぐらい。いつの間にか笹ヤブは枯れた笹の地帯に入ってきて、尾根も広くなりきれいな樹林帯に変化してきた。
持丸山
樹木の固い芯だけ残している。自然の芸術的作品。
 
持丸山
熊の休憩所? 人ひとりは入れる。
持丸山
1150m付近の114号鉄塔への分岐点。
案内テープが目立つようになってきたが、この分岐は文字での標識はないので、わかりづらいと思われるので注意が必要  
持丸山
2度目の急登!
約150mほどを登りつめるが、広々とした尾根をジグザグに登る。


持丸山
テープも多くなり、踏み跡も明瞭になってきた。
 
持丸山
山頂部稜線に出ると、細いブナなどが密生した樹林帯となる。
 
持丸山
今度は笹ヤブが。おまけに背丈以上の高さに閉口する。

持丸山
今朝、麓では一時的に小雨が降ったが、山頂部では雪になったようだ。
持丸山
笹ヤブは山頂まで続き、ようやく持丸山に到着する。

山頂からの眺望は周りの木々に遮られほとんどなし。
三角点があったはずだと探したが、笹に隠れてありました。二等三角点。
持丸山
山頂部全景。

見晴しの良いところはないか近くを歩いてみたが開けているところはない。あきらめて早々に下山する。  
持丸山
先ほどの114号鉄塔分岐点を右に曲がり、尾根を下降する。
 
林道まで約300mの標高差があり、この尾根も結構な勾配があるようだ。
持丸山
尾根右側の渓谷は、紅葉の見どころがたくさんあり、太陽を浴びてきれいに輝いている。
持丸山
気分爽快の尾根を下降しながらの紅葉を楽しむ。(標高1050m付近)
持丸山
114号鉄塔に到着。遠くには日留賀岳など男鹿山塊の山並みが望める。
鉄塔から先は東電巡視路を忠実に下降する。
持丸山
沢上部から急傾斜のトラバースとなるので、滑落等に気をつけたいところ。
さらに、沢沿いに下降する際、濡れている斜面なので注意が必要。
持丸山
持丸沢本流に出る。
本来は林道に出合うところだが、林道は崩壊しており、一旦、河原に出てから崩れた林道上に登り返すことになる。
持丸山
無傷の林道だが・・・
持丸山
ほとんど残っていない!
残った道幅は80Cmぐらいで今にも崩れそう。
持丸山
支沢からの土石流で林道が塞がれた。

持丸山
ここも小沢からの土石流で杉の木はなぎ倒され、ここが一番ひどい感じを受ける。右手の小沢からの土石流は大変なものだったに違いない。

木材の倒れ方から見るとおそらく林道上まで土石流が流れたようだ。
これまで歩いてきた林道はここで途切れた。
持丸山
林道は橋かパイプが通してあったのか分からないが、長さにして20mほど林道は全くなくなっている。

どう通ればいいか思案していたところ、テープが入口だというように2つ並んでいる。そこを、沢まで下り、上り返して向こう側の林道に再び戻ることになる。
歩けるところは狭く高度感もあり慎重に通り過ぎた。雨模様のときは要注意。
持丸山
樹木がなぎ倒され林道を塞いでいるが、全く手付かずの状態。

持丸山
きれいな紅葉に目を奪われるが、よく見るとここも被害の跡がうかがえる。



持丸山
駐車した芹沢集落に戻ってきた。
持丸山スライドショー
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