栗駒山-1日目(宮城県側)
栗駒山の紅葉は他に類をみないほどすばらしい。
その魅力に惹かれて再び訪れる。紅葉の一押しの山だ。
栗駒山は宮城県、岩手県、秋田県の3県にまたがる。
前回は岩手県側の須川温泉から頂上を目指したが、今回は欲張って表側(南)でもある宮城県側と岩手県側(北)を2日に分けて登った。
今年の紅葉は遅れ気味とのことではあるが、10月初旬には山頂付近は盛りとなっているはずで、期待はずれの心配もあったが?
朝5時にいわかがみ平の駐車場に到着。まだ車はまばらだ。
登るのに躊躇するような強い風が吹き付けている。さらに温度も3度ほどで体感温度は氷点下並か。
5時40分、日の出を拝む。日の出はいつ見ても神々しくすばらしい。
強風でガスが使えないかと心配するが、風除けなど工夫しながら何とかインスタントラーメンを調理することができた。
7時ちょうどにスタートする。駐車場から見た限りでは紅葉はかなり下まで来ていることが感じられる。
一般観光客のほとんどが利用する「中央コース」を多くの登山者とともに登り始める。
中央コースは石を敷き詰めコンクリートで固めた道がしばらく続き、急登はなく約1時間30分で楽に山頂を踏むことができ、数多くある栗駒山一帯の登山コースのなかでも最短コースになる。
紅葉もこの辺はいい感じで色づいている。
上のほうはすでに紅葉の盛りは過ぎたようだが、まだまだ十分に楽しめる。
栗駒山の紅葉の特徴として、宮城県側はツツジ類の赤が基調になっている。
一方、岩手県側はカエデ類の黄が基調となっていて、それぞれにすばらしい景観を醸し出している。
周囲を見回してため息の連続。
ふかふかとした色とりどりのじゅうたんだ。
山頂はもう間近。最後にやや急登がある。
頂上に着くとまず驚いたのは、頂上一帯に真っ白な樹氷ができている。
雪が降ったのかと思ったほどだ。
昨晩、低温下のうえに相当の強風が吹きつけていたに違いない。
現在もあいかわらず風はおさまらず、晴天にもかかわらず樹氷は融けずにしっかりしている。
秋の紅葉と冬が一緒にきたよう。
ハイマツの繊細な葉にも樹氷が張り付ききれいだ。
頂上をあとに中央コースから分かれ、「東栗駒コース」に入る。
少し急下降となる。
まもなく栗駒草原と呼ばれる湿原状の草原は草紅葉となり、波を打つように起伏がきれいなところだ。
東栗駒山まではアップダウンの少ない稜線歩きの感じで気持ちがよい。常に雄大な栗駒山を見ながら歩く。途中、ぬかるみもところどころあるので注意。
次第に大きな溶岩が目立つようになる。
東栗駒山から見下ろす山肌は錦秋の錦絵そのもの。
道は紅葉のトンネルを次第に下降し、新湯沢に出る。
ここは、岩盤のナメ沢で岩盤上を約100m歩くことになる。下流には大きな岩がひしめく。
今日は水量こそ少なめであるが、雨のときはこのコースは避けたほうがよさそう。
ここを過ぎると紅葉の潅木帯に再び入るが、道は溝状になり水溜りが多く歩きづらい。
この辺が紅葉の盛りのようで華やかだ。
沢から30分ほどでいわかがみ平に到着する。